(3) 診療内容
<泌尿器科疾患の診断>
<検査>
・(日帰り)前立腺針生検
{適応}
前立腺生検は前立腺がんの確定診断に必要な病理組織診断検査です。
前立腺腫瘍マーカー血清PSA(前立腺特異抗原)が、基準値4.0を超えると前立腺がんの疑いが出てきます。PSAは、前立腺がん以外でも前立腺肥大症、前立腺炎などの尿路感染症等でも上昇しますので、エコーなどの画像検査、触診、PSAの上がり方を総合的に評価して、この検査の適応を判断します。前立腺がんの可能性が高い方は、この検査を行ってがんか否かの診断をつける必要があります。
{経会陰式}
前立腺生検の方法としては、経会陰式、及び経直腸式の2つの方法があります。それぞれの利点、欠点を考慮して当院では、出血、感染症などの合併症が少ない経会陰式で前立腺針生検を行います。
{日帰り}
総合病院では1~2泊の入院の上に、腰椎・仙骨麻酔をかけてこの検査を行う施設が多いようです。そのため、日程が合わないなどの理由で検査を躊躇する方も少なくない印象でした。当クリニックでは、クリニックならではのフットワークの軽さ、麻酔選択により検査時の痛みも少ないこと、安全性も十分検討した上で、日帰りで前立腺針生検を行います。
{方法}
載石位(お産の体位)になっていただき、麻酔が十分に効いていることを確認後、肛門からの超音波で前立腺を観察しながら経会陰式に左右5か所ずつ、合計10か所、前立腺を針で刺して組織を採ってきます。針を刺した部位及び肛門からの止血を確認して検査終了です。クリニック内で数時間お休み頂き、おしっこの出方、性状、体調等を確認後に帰宅となります。
{検査結果}
採取した前立腺組織を専門の病理医が顕微鏡で診断し、通常は検査後約1週間で結果が判明します。
・膀胱鏡検査
比較的痛みの少ない軟性膀胱鏡を使用して血尿の原因精査や膀胱がんの術後定期検査を行います。
・超音波検査(エコー)
超音波検査は簡単に行え、また痛みもなく、がんや尿路結石の有無などさまざまな情報が得られる有用な検査です。
・尿流量検査
おしっこの勢いを調べる検査です。フロースカイという専用のトイレにおしっこを普通にしていただくだけで排尿量や勢い、排尿に要した時間を測定します。
・残尿測定
・検尿
尿培養、尿細胞診
・採血
・胸・腹部レントゲン検査
・心電図
<泌尿器科疾患の薬物(内服、注射を中心とした)治療>
<定期カテーテル交換による排尿管理>
<尿道拡張術などの泌尿器科的な専門処置>