(2) 疾患
- 排尿障害
- 前立腺肥大症、過活動膀胱、神経因性膀胱、尿道狭窄、腹圧性尿失禁など
- 尿路悪性腫瘍
- 前立腺がん、膀胱がん、腎がん、腎盂尿管がん、精巣がんなど
- 尿路結石
- 腎結石、尿管結石、膀胱結石
- 尿路感染症
- 膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎、副睾丸(精巣上)炎など
- 性行為感染症
- 淋菌、クラミジアなど
- 陰部疾患
- 陰嚢水腫、停留精巣、尿道カルンクル
- 勃起不全
前立腺肥大症
前立腺肥大症は前立腺の内腺と呼ばれる内側の尿道に近い部分が肥大化する病気です。50歳以上で増え、60歳台では5割以上、70歳台では約7割の男性が肥大症になっているといわれています。
主な症状は、尿回数の増加、夜間に何度も排尿に行く、尿が出にくい、勢いがない、排尿に時間がかかる、きれが悪い、残尿感がある、我慢ができない、漏らしてしまう などです。さらに進行すると、尿が出なくなってしまうこともあります。
前立腺肥大症はまず薬物治療を行います。
しかし治療効果が不十分な場合は外科的治療を行う場合があります。
外科的治療が必要な場合は、オープンシステムを用いた病診連携病院での治療、もしくは紹介を行います。
前立腺肥大症があるからといって前立腺がんになりやすいということはありませんので、別の病気として捉えて下さい。
過活動膀胱(OAB)
過活動膀胱(OAB)は、尿意切迫感(急に起こる、抑えられないような強い尿意で、我慢する事が困難な状態)を必須とした症状症候群であり、通常は頻尿(日中8回以上)と夜間頻尿(夜間1回以上)を伴うものです。おしっこの漏れ(尿失禁)は伴う場合と伴わない場合があります。40歳以上の人の12.4%であるといわれています。原因のわからない特発性のものが一番多いようです。
診断に際しては同じような症状を持つ他の泌尿器科の病気との鑑別(膀胱がん、前立腺がん、尿路感染症など)が重要です。
治療は内服治療が一般的で最近では副作用の少ない新しい薬も処方されています。男性で前立腺肥大症がある方は、まずそちらの治療を優先する必要があります。
女性の腹圧性尿失禁を伴う場合は外科的を必要とするケースもありますので、病診連携病院への紹介も検討します。
前立腺がん
前立腺がんは日本においても死亡数が徐々に増加しており2020年には、男性のがんの中で肺がんに次いで罹患数の第2位になると予測されています。
前立腺がんは、早期では全く症状を伴いません。しかし、がんが進行し大きくなると尿の流れを妨げ、頻尿や排尿困難、時に痛みを伴うこともあります。
50歳以上の男性は前立腺がんを早期に発見するためにPSA検査と直腸診を受けることで、根治できる早期の段階で前立腺がんを発見することが可能になります。PSAが4を超えた場合は、泌尿器科専門医による診察が必要となります。
PSA採血、超音波検査、直腸診などの検査を行い、これらにより前立腺がんの疑いが否定できない場合は、確定診断のために前立腺の組織検査が必要になります。当院では日帰りで前立腺組織検査を行っています。
前立腺がんの診断がついたら、画像検査(CT、骨シンチグラフィーなど)を行って、がんの病期を診断します。
前立腺がんの治療は、患者さんの年齢、全身状態、がんの病期や悪性度などを考慮して、患者さんやご家族とよく相談して治療方針を立てていきます。
手術、放射線治療を希望される患者さんは病診連携病院へ紹介させていただきます。
膀胱がん
膀胱がんの患者さんは年々増加の傾向にあり、男女比では女性より男性に多く、女性の約3倍多いといわれています。多くは50歳以上に発生します。
危険因子として、喫煙があげられ、喫煙者は非喫煙者に比べて4倍程度発生率が高いといわれています。
初期症状として多くみられるのは血尿です。肉眼で確認できる血尿(肉眼的血尿)のこともあれば、顕微鏡ではじめて確認できる程度の血尿(顕微鏡的血尿)のこともあります。血尿は痛みなどを伴わない場合が多く、初期では突然出現し、自然に消失します。
腫瘍が進行してくると、頻尿、排尿痛、残尿感などの自覚症状を伴ってきます。
診断はエコー検査や膀胱内の内視鏡検査で行っていきます。早期のものであれば内視鏡手術での治療が可能です。
外科的治療が必要な場合は、オープンシステムを用いた近隣病院での治療、もしくは紹介を行いますが、定期膀胱鏡によるフォローアップは当クリニックでも可能です。
腎がん
腎がんは、小さいうちはあまり症状がないため、 以前は早期発見が難しい病気でした。しかし、最近では人間ドックでの超音波検査の普及や、他の病気でCTがとられる機会が増え、比較的早い段階で見つかるようになってきました。
腎がんの治療は手術が中心でしたが、最近様々な新しい治療が導入されてきています。
腎がんと診断した場合は、速やかに病診連携病院へ紹介させて頂きます。
尿路結石症
尿路結石には腎結石、尿管結石、膀胱結石などがあります。日本人の場合、95%以上は腎または尿管の結石です。
結石が腎臓にある場合には症状がないことも多いですが、結石が腎から尿管に下降すると疝痛発作という激しい痛みを生じます。また、血尿が出ることもしばしばあります。
診断は尿検査、レントゲン検査、超音波検査などにて行い、結石の位置、大きさなどにより治療法を決めていきます。
結石の大きさが比較的小さい場合は、自然排石も期待できるため水分摂取、運動、排石促進薬などの保存療法にて経過をみていきます。大きい結石や排石が難しい場合は結石破砕術などの外科的処置が必要になります。
外科的治療が必要な場合は、オープンシステムを用いた病診連携病院での治療、もしくは紹介を行います。